フィールドワークで参加者が何を学び、
そして自地域での事業がどのように
変化していったのか。
参加者の体験談をお届けします。
“町を変える”中間支援団体への転機に。
参加者プロフィール
立花 圭さん
現職
株式会社ディーグリーン 取締役
参加地域
高知県四万十町
メンター
株式会社四万十ドラマ・畦地 履正さん
三重県の南に位置する紀北町で、WEB・広告制作物から事業全般のコンサルティングまでを請け負うデザイン会社・株式会社ディーグリーンの取締役として、地元で水揚げされた魚を使った離乳食材の通販サービス「mogcook(モグック)」のマネージャーをしています。
商品を動かすのは、強いチーム
そうして、お客さんへの商品の見せ方に最も関心があった参加前から、2つのチームを実際に目で見て対比する経験を経て、「何よりもまずチームづくりが商品の売り上げを動かす基盤になるのでは?」と考え方に変化が生まれました。この学びを地域に持ち帰った結果、モグックがチームとして強くなったことがBRIDGE後の一番の成果なのかなと思っています。
その過程で起きたこととして、まずは私自身の役割の変化がありました。それまでは人に仕事を任せることができずプレイヤーから抜け出せなかった私でしたが、上手に人に仕事を任せてチームを生き生きと動かしている畦地さんの姿を目の当たりにして、自分の仕事を任せることへの思い込みや恐れを「そういうことじゃなかったのかもな」と手放すことができたんです。
そうして自分も畦地さんのようにお金の流れを管理して社外の人とどんどん出会って繋げるエバンジェリストでいると決めたら、お客さんの状況をちゃんと見ることができるようになり、チームとしての動きがどんどん活発になっていきました。
「モグックのある一日」で定まった視点と、
プロジェクトを全員が語る場が生んだ風通しのよさ
次に取り組んだのは、ビジョンの共有です。それまではモグックチームのメンバー3人、それぞれが目指している方向が少しずつ違っていて、リーダーである自分の考えもしっかりメンバーに伝えられていない状態でした。
一方で四万十ドラマで出会ったチームはというと、リーダーのビジョンが浸透していて、それがあの覚悟の表情に繋がっているように感じたんです。そこで、「モグックのある一日」を文字で書き起こして、メンバーと共有することにしました。そうして段々と、ぼんやりとしていた事業の目指す方向性が定まっていきました。
また、四万十ドラマでは、道の駅で働く人たち全員を集めて、どんな小さな気づきも拾って整理する場がありました。自分が思っていることを声に出すのはとても勇気のいることですが、そうやって日頃から視点を共有しておくことで仕事が任せやすくなるのだろうなと感じ、モグックチームでも「モグックって何なのだろう」というテーマでブレストして整理する場を定期的に設けるようになりました。これは面白いことに、同じ問いを立てても実施する時期で出てくる言葉がまったく違うんですよね。そうしてブランドの成長・変化を常にメンバー全員が共有できている状態になって、チームの風通しはとても良くなったと思っています。
「メンバーが広報を頑張ってくれた」の一言に尽きる、年次1.5倍の売り上げ
これらの取り組みを進められた背景には、自分が考えているアプローチとは違う方法で取り組もうとしているメンバーを受け入られるようになった、自分のマインドの変化があると思っています。怖かったけれど、それをしないとチームはバラバラになっていくんだとBRIDGEで体感したことが背中を押してくれました。
今でも他者のアプローチに100%はポジティブではないときもありますが、結果が出れば全員で喜べるし、ビジョンを共有したことで根底にある想いだけは変わらないと信じることができています。道筋は一つが正解ではないし、いくつかあってもいい。自分が描いている道じゃなくてもいいと、認める気持ちを持とうと思えるようになりました。
そうしてメンバーのやろうとしていることに口を出さずに任せると決めたら、メンバーが自分は思ってもいなかったチャンネルから挑戦してくれるようになり、結果売り上げを年次で1.5倍に上げることができたんです。これは、「メンバーが広報を頑張ってくれた」の一言に尽きる、強いチームになったからこそ生み出せた成果だと思っています。